モバイル学会 シンポジウム「モバイル'10」 参加メモ
先日3月17-18日に開催されていたモバイル学会の公開講座に参加したのでいろいろメモ。
iPhoneアプリ開発、はじめの一歩
開発者やユーザー以外、初心者でも理解できる内容でした。
まずセカイカメラの紹介映像、iPhone=Smartphoneの特徴説明から入り、徐々に開発に入るスタイルでお話が進みます。
一連の説明のうち、特に開発フローは大変参考になります。
最初にコンセプト、仕様を検討する。UIはペーパープロトタイプで検討するなど。
個人的には、iPhoneアプリを作って流通させるために必要なチームメンバーの説明、
モノを作るメンバー、流通させるメンバー双方のTodo紹介が大変参考になりました。
紹介映像を作りyoutubeにアップする、アプリの説明ページを用意するなど。
アプリを作って大満足、売れるぞ〜!だけでは無理、ちゃんとプロモ必要と強調されていた気もします。
アートとセカイとしてのiPhone
アート・哲学の立場から、モバイルのテクノロジーに対するお話です。
今後の方向性やこれまでの考察の「考え方」に気づきを与えられる時間でした。
- モバイル端末による変化
- 有線から無線へ:メディアアートの制約である「電源」と「ネットワーク環境」の問題を解決。
- 強大・同一から微細・多様へ:みなが同じものを一斉に、ではなく、個別に。
- 特別から日常へ:みながモバイル端末を「持っている」事による効果
- iPhoneの対抗勢力としてのAndroid:マス向け・制約付きの楽園のiPhone、ニッチ向け・自由な混沌のAndroidの2大勢力。
- リアリティの危機:VR/MR/ARの特徴・視点の違い、AR=現実世界への情報付加(ex.セカイカメラのタグ)、オリジナルが何かわからなくなる点(初音ミクとオリジナルのダンサー)
- アート・哲学の役割:遠くの空を見て「大きな流れを感じること」/「炭鉱のカナリヤ」何よりも先に立って犠牲になること。
iPhoneが日本の教育現場を劇的に変える
iPhoneの活用事例の紹介と、iPhoneアプリのご紹介でした。
大学での事例紹介
青山学院大学での出席管理・授業配信、Abilene Christian Universityでの大学生活の
インフラ(先生・生徒のアドレス共有、シラバス配信、校内案内)としての使用例、
阪大でのドイツ語授業でのレスポンスシステム(なんとなく某クイズ番組を思い出す)など。
大学生=大人向けの授業活用例では、既存のシステムをiPhoneを使った配信システムに変えることがヒントになりそうです。
福祉向けの活用事例
聴覚障害児童が、介助者がいなくても授業内容をほぼリアルタイムで理解するための仕組み紹介です。
といっても、特別で大掛かりなシステムを導入するのではありません。
電話の連続通話を行って先生の声を遠隔地のボランティアが聞き、授業内容をキーパンチして配信する、
その配信先端末がiPhoneを使うという仕組みです。
こういったことを実現したいを、大掛かり&費用と時間のかかるシステムで解決して失敗する事例が多い中、
今ある仕組みを組み合わせてコストをかけずに実現する点が興味深いです(泥臭いやり方ですけどね)。
情報共有
フットボールチーム内での情報共有の事例。
個人的にはITMediaで紹介されていたソフトバンクホークスの事例も聞きたかったです(野球好き的に)。
地域での観光情報提供
「ふらっと案内」でのエリアプロモーション事例、産・官・学の連携では地域・観光の引き合いが多いとのお話。
最後に
地元の名古屋開催、そして無料で聴講できるため気軽に参加しましたが、想像以上に盛りだくさんで興味深い話が聞けました。
開催にかかわったの皆様、どうもありがとうございました。